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2004年の会社設立以来、価値を損なうことのない「安全な文化財修理」を第一の理念として掲げ、また、その技術をもって社会へ貢献するという考えのもと、社員一同修理事業に取り組んで参りました。創業約20年のまだ若い会社ではありますが、ひとつひとつの修理を真摯に行ってきた実績に対し、ようやく評価をいただけるようになってきたものと思っております。
弊社の経営において大切にしていることは「常に最善の修理を考えること」です。
社員一人一人がたゆまず技術を研鑽し、専門性を持ち、常にチームで議論し、全体に共有することが、結果として良い文化財修理を可能にします。
修理が必要な文化財の品質や構造や劣化、損傷の状況とその原因を正しく把握し、関係者の皆さまに自ら正しく説明することができ、適切な処置を施せる技術を身につけておく。そういった技術者を多く育てることが最も重要であると考えております。
昭和、平成、令和と国宝修理装潢師連盟の多くの技術者を育ててきた田畔徳一翁は、常日頃より、
「伝統技術はもちろんのこと、最新の科学や工業を応用した技術を身につけること」
「美術史や歴史、保存科学を学び、常に探究心を持つこと」
「文化財を修理するにふさわしい人格を形成すること」
この3つなくして修理は成り立たない。この3つがそろってこそ現時点で最善ということができる「修理」が成り立つ。
そう教えて来られました。
弊社のロゴは、社員で毎年育てている丸葉藍をモチーフに作りました。
葉を表す3つの円は上記の3つを示しており、その3円が重なったところからのみより良い修理という花が咲く、というイメージをロゴにいたしました。
これを当たり前に実践することを常に意識しています。
生活様式が西洋化されている今日、私たちに関連する伝統産業は衰退しつつあります。紙漉き、金工木工職人、塗師、表装裂製作者、刷毛製作者などの技術者や諸材料の生産者の数は年々減り続けております。修理に必要な多岐にわたる用具、原材料のどれが欠けても文化財の修理は成り立たちません。
私たち文化財修理技術者のみならず、用具や材料の生産者の皆さまとも常に連携し、包括的に文化財修理を考えないといけない時代になりました。
文化財を後世に残すために必要な技術は、社会にとっても無くてはならないものだと信じています。
私たちは文化財とその技術を次世代へとしっかりと引き継ぐために、全社員が一丸となって文化財修理に取り組んで参ります。
一年で最も寒さの厳しい大寒に寒糊炊きを行っています。
小麦の澱粉と濾過水の状態から速度を落とすことなく、かき混ぜ続けて糊を炊きあげます。
この糊は、甕に貯え10年以上冷暗所に保管し、微生物の働きで熟成させることで接着力の弱い古糊となり、主に掛軸の裏打ち(増裏・総裏)に使用されています。
シニアと若手技術者による子供を対象としたワークショップを不定期で開催しています。ワークショップでは顔料(岩絵具)や膠などの材料を用いて、技法を学びながら日本画を描きます。
この体験を通して、子供達にとって絵画だけでなく身近にある文化財への興味関心を育む「きっかけ」となるよう願いを込めて活動しています。
修美では、年間を通して様々な活動に幅広く取り組んでいます。
国の認定を受けた伝統的方法に基づいた装潢修理技術を高めるだけでなく、基礎知識の習得や向上のため国宝修理装潢師連盟主催の研修会へ参加しています。
また「文化財保存修復学会」「日本文化財科学会」等での研究活動も行っています。
近年においては、保存科学部門を設けてシニア技術者と共に文化財のより安全な保存技術の研究開発の向上に励んでいます。
また特許を2件取得しています。
社員のうち女性は7割を占めており、女性活躍推進法に基づく認定制度「えるぼし」では「えるぼし3」の認定、「京都モデル」ワーク・ライフ・バランスでは認証企業として認められるなど、女性はもとより全ての社員が幅広く活躍できる環境を整えています。
京都市中京区両替町通押小路下る金吹町459に移転
ホームページリニューアル
紙の強化方法、紙強化用のセルロースナノファイバー、及び、その製造方法 特許特願
特願 2020-066455
大阪市立美術館にて「大阪修理所」を設置
黄綬褒章 受賞(技術者1名)
建設業許可 京都府知事許可(般-1)第42530号(建設業の種類 内装仕上業及び建具工事)
ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」登録(国装連)
文化庁長官賞 受賞(技術者1名)
研究開発部保存科学室を設置
「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス認定
女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良である企業として
厚生労働大臣より認定される「えるぼし(3段階目※)」の認定を取得
※「えるぼし」は5つの基準を満たした数により1段階目より認定され、弊社は5つの基準全てを満たし3段階目の認定を取得しました。
漉填め方法、および漉填のための糊付け方法 特許登録
特許 第6302942号
紙製作品の一括補修方法 特許登録
特許 第6303052号登録
京都市中京区柳馬場通等持寺町26-1に移転
株式会社岡墨光堂の分社に伴い、一部事業を継承する形で京都市中京区桝屋町に株式会社修美設立
国宝修理装潢師連盟(国装連)に加入
〒543-0063
大阪市天王寺茶臼山町1-82
大阪市立美術館内修復室